活版でQRコードを印刷するとどうなるの?

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書籍のお仕事以外にも名刺やショップカードなど、いわゆる「カードもの」と呼ばれる印刷もやっています。
安くて早くてキレイな現代の印刷技術ではなく、わざわざ活版印刷を選んでいただくということは、やはり独特の風合いを求められるものでして、

ちょっと掠れたような、とか
押したような感じを出して!とか

そのようなご要望をいただいた際には、特殊印刷としての側面が出れば出るほど喜んでいただけるようです。
(でも実は、師匠筋の職人さんたちに言わせれば「きれいに刷れなきゃ印刷工としては失格!」とのことですが……現代の需要としては大袈裟なアナログ感がウケるようです。
どちらも良い面がありますし、弊社としてはお客様のご希望どおりに仕上がるのが一番と考えています。)

強く押したり掠れさせて文字の輪郭が少々滲んだところで、読むぶんにはほとんど影響はありません。もちろん小さくて細い字だったりすると、読めないほど潰れてしまうこともあるかもしれませんが……
でも、それはみんなが知っている文字だから。
機械が判別するラベル、たとえばQRコードを活版印刷するとどうなるのでしょう?

ショップカード
この写真は弊社で組版・印刷したショップカードです。
(文字のラインが揃っていなくてガタガタですね、お恥ずかしい)
(さらに言うと、このときお客様から「アナログ感を出して」という要望は特に言われませんでした。人によっては「刷りが甘い!」と先輩の職人さんたちからお叱りを受けてしまうかも)
よく見ると版の輪郭が少し凹んでいたり、インクがざらついていたり箇所によって濃さが違います。

ちなみに版はこういった感じ。
組版

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【活版(=活字組版)の基本おさらい】
活版の版は基本的に、すでに印刷所にある活字と記号を組み合わせてつくります。
ですがそれだけではデザインが限られてくるし……どうするのか?もちろん対応策はあります。
オリジナルロゴやイラストは、樹脂や亜鉛でそのつど凸版(とっぱん)を起こすことによって、組版と合わせることが可能です。
うちの工房のお客様も、凸版+活字の組版を希望される方は多いです。
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さて、タイトルにもある「QRコードを活版でするとどうなるのか?」ですが
……結果は、ぜひご自身でこのQRコードを読み取ってみてください。
(協力:三河屋酒店さま ありがとうございました!)

※今回の凸版サイズと刷りでは問題ありませんでしたが、毎回問題ないということを保証するものではありません!

印刷結果が予測しづらいのが活版印刷です。ぜひご自身で色々と試してみてください。