台南の「糖福印刷創意館」に行ってきました。

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地金にも糖印の文字!これを溶かして活字にします。

もう1ヶ月も過ぎてしまいましたが、先月6月に台湾に行ってきました。

みなさんご存知「日星鑄字行」の張さんに、最近の台湾活版事情についてお話を伺ってきたのと、あともうひとつ目的がありました。

それがこちら

台南から電車で約40分ほどの新營にある糖福印刷創意館です!

2016年1月26日にオープンしたというこの印刷博物館。
館内には約7万個の活字の母型、多くの活版印刷機具や設備が保存・展示されています。
台湾のみならず全東アジアにおいても、最も完全な形で保存されている博物館だそうです。

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同館の前身となった「糖福印刷所」は、1954年に彰化県の渓洲糖廠(渓洲製糖所)に設立されたもので、活版印刷を行っていたこの印刷所は2011年に稼働を終えた。
翌年、台糖台南区処が保存を受け継ぎ、文化部の「産業文化資産再生計画」の補助により、修復が行われた後、「糖福印刷創意館」と命名された。
2014年、台南市政府は館内の活字鋳造機、コレーター(丁合機)、裁断機など5つの印刷設備を「一般古物文化資産」に指定した。
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(出典:台北駐日経済文化代表処

なるほど近年まで稼働していたとあって、展示品もきれいな状態のものが多く見受けられます。
台湾は製糖産業が盛んだったこともあり、砂糖の会社が専門の印刷所を持っていたようですね。

やがて砂糖工場に収める印刷の他に、このような書類の印刷がメインになっていったようです。

残念ながらキャプションはすべて繁体字で記してあり、(時間もなかったため…)
詳細を理解しきれないまま駆け足で見学してきました。
以下、気になったポイントを少しだけ。

・台湾ならではの約物
……日本語では「、」「。」の約物はベースライン側の配置ですが、台湾では字面の真ん中に配置されています。

・鋳造機(日式と台式)が見比べられる
……鋳型(活字の大きさを決める部品)の仕組みが違うようです。台式はアメリカのトムソンに近い印象でした。

・鋳造機が稼働していたままの状態で展示されている
……ガスと電源が今も刺さっています。おそらくですが、鋳造機の配置はそのまま・まわりの造作を展示用に後付けしたのではないでしょうか。あくまで想像ですが…(配線が生々しすぎて他人事とは思えません)

・すだれ(活字ケース)と、馬棚(活字ケースを立てて並べる設備)の並び方が、日本ではちょっと見ない感じ
……漢字が編ごとに欧文用ケース(なぜ?)に収納され、しかもそのまま馬棚に並べられていました。日本でそのような並べ方は見た事がありません。拾い(活字を原稿ごとに集める)やすい工夫なのでしょうか?
張さんいわく、「上海式」だそうです。今後調べることがまたひとつ増えました。

………などなど。以上駆け足でしたが、他にもたくさんの見どころがありました。
また展示は一箇所に集められていましたが、ワークショップは別の棟で開催されているようです。
印刷所をそのまま残して見学できるのは、息遣いが感じられていいですね!
工場の広さは最低このくらい必要なのか…など、想像を巡らせるのも楽しみの一つです。

活版クラスタのみなさま、最近流行りの台南に立ち寄った際は
ぜひ新營まで足を伸ばしてみてはいかがでしょうか!

近くの小吃のお店も安くて美味くてオススメです!

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糖福印刷創意館
営業時間:9時00分12時00分/13時00分〜16時30分
場所:73045 台南市新營區中興路40號
入場料:100台湾ドル

※行く前にFACEBOOKで問い合わせると確実です。